雪 太郎をねむらせ、太郎の屋根に雪ふりつむ。 二郎をねむらせ、二郎の屋根に雪ふりつむ。 『測量船』 『測量船』(そくりょうせん) は三好達治の詩集。達治の処女詩集で39編の詩を収録 ..
冬の長門峡 長門峡に、水は流れてありにけり。 寒い寒い日なりき。 われは料亭にありぬ。 酒酌みてありぬ。 われのほか別に、 客とてもなかりけり。 水は、恰も魂あるものの如く、 流れ流れてありにけり。 やがても密柑の如き夕 ..
われ男の子 われ男の子意気の子名の子つるぎの子詩の子恋の子あゝもだえの子 —- われをのこ いきのこなのこ つるぎのこ しのここひのこ あゝもだえのこ <まず、私は男子である。 前向きに生 ..
汚れつちまつた悲しみに…… 汚れつちまつた悲しみに 今日も小雪の降りかかる 汚れつちまつた悲しみに 今日も風さへ吹きすぎる汚れつちまつた悲しみは たとへば狐の革裘(かはごろも) 汚れつちまつた ..
Chanson d’automne Paul Verlaine Les sanglots longs Des violons De l’automne Blessent mon coeur D&# ..
127段 改めて益なきことは、改めぬをよしとす..
SONATINE No.1 はじめてのものに ささやかな地異は そのかたみに 灰をふらした この村に ひとしきり 灰はかなしい追憶のやうに 音立てて 樹木の梢に 家々の屋根に 降りしきつた その夜 月は明かつたが 私はひ ..
相 聞 芥 川 龍 之 介 また立ちかへる水無月の 歎きを誰にかたるべき。 沙羅のみづ枝に花さけば、 かなしき人の目ぞ見ゆる。 ●参考文..
旅 上 萩 原 朔 太 郎 ふらんすへ行きたしと思へども ふらんすはあまりに遠し せめては新しき背廣をきて きままなる旅にいでてみん。 汽車が山道をゆくとき みづいろの窓によりかかりて われひとりうれしきことをおもはむ ..
第1章 ダビデの子 ヱルサレムの王 傳道者の言 傳道者言く 空の空 空の空なる哉 都て空なり 日の下に人の勞して爲ところの諸の動作はその身に何の益かあらん 世は去り世は來る 地は永久に長存なり 日は出で日は入り またその ..